南座花形歌舞伎公演は、本日無事千穐楽を迎えました。大役を頂いている月は、いつもあっと言う間に時間が過ぎて行きます。今もまだまだ続けていたい気持ちでいっぱいです。
客席で観ている限り、「連獅子」は楽しそう気持ち良さそうとの印象でしたが、実際に踊るとてもハードで、初日近辺は終演後あまりの辛さに吐き気をもよおす程でした。それでもやはり、楽しい気持ちの良い踊りでした。後半、獅子の姿で花道から登場した仔獅子は本舞台近くで一旦止まり、前を向いたまま揚幕へ引っ込んだ後、再登場します。その際お客様の歓声と拍手を耳にすると、辛さはすべてどこかに吹っ飛んで行くのでした。不思議ですね。全速力で後退する間、仔獅子は後ろを振り返るわけにはいきません。安全のために、揚幕の中で誰かが仔獅子を待ち受けるとの決まりがあります。今月は一門の松五郎さんが受け止めてくれましたので、僕は安心して思い切り走り抜ける事が出来ました。
来月はいよいよ歌舞伎座最後の月です。これまでの感謝を込めて過ごしたいと思います。そうそうたる出演者の中、第三部の「助六」で僕はなんと並び傾城の芯をつとめます。プレッシャーを感じますが、楽しみです。皆様、是非歌舞伎座へご来場下さい。よろしくお願いいたします。
連休中の京都は、沢山の観光客で溢れていました。お蔭様で、南座は毎日大勢のお客様にご観劇頂いております。
僕は、今月つとめている各役にも慣れて来ました。でもここからがまた大変です。慣れて来ると、今度はどうすればより良くなるか試行錯誤の日々が始まります。終演後も、常に頭のどこかで舞台の事を考えてしまいます。
今月は「連獅子」を踊らせて頂いているので、消耗してみるみる痩せていくかと期待していたのですが、今のところ肉体的変化は全くみられません。というのも、出番前には体力づけのためにたっぷり昼食を取りますし、終演後はお誘いを受けての食事が多く、ついつい食べてしまいます。食べずに倒れるよりは良いですが… 皆様も食べ過ぎにはご用心です。
三月公演も間もなく中日を迎えます。京都の寒さも和らぎ、過ごしやすくなってきました。
京都南座に出演させて頂くのは実に4年3ヶ月振り、父六世尾上松助が亡くなった日以来です。平成17年12月26日、顔見世公演千穐楽の朝、母から電話が掛かってきました。携帯電話の着信画面を覗いた瞬間、訃報と感づきました。連絡を受けて直ぐ楽屋へ行き、心配して下さっていた先輩方の部屋をまわり、父が亡くなった事を報告しました。皆さん僕の精神面を大変気に掛けて下さったのですが、僕自身は何も感じていませんでした。父の死の実感が湧いたのは、東京に戻り葬儀を終えた後でした。
他にもいろいろと父との思い出が詰まった南座で、今月こうして大役をつとめさせて頂ける事を、きっと父も喜んでいると思います。
今月の公演はまだしばらく続きます。皆様のご来場をお待ちしております。
今僕は京都南座「三月花形歌舞伎」に出演中でございます。しばらく日記の更新が途絶えてしまいました。ごめんなさい。京都でのお稽古は連日ものすごくハードで、日記に手をつけられませんでした。
京都に来るのは四年振りになります。相変わらず品の良い町並みと感心しますが、街中をゆっくり歩く時間は全くありません。それだけ沢山舞台に出させて頂いているという、大変ありがたい話です。朝早めに部屋を出、公演が終わると外は真っ暗で、劇場からホテルまで真っすぐ帰る日々です。今月は大役を頂戴いたし、昼の部では「連獅子」という大きなチャンスに恵まれました。父が生きて観ていたら、きっと怒鳴られっぱなしでしょう。まずは今僕が出来る精一杯を日々出し切り、課題を一つずつクリアしていく事が責務だと思っています。毎日、胃が痛くなる程の緊張感やプレッシャーと闘いながら奮闘しております。皆様どうぞ南座まで観劇にいらして下さい。
